最近、ドラマでも話題になっている経理の仕事ですが、実際の所どんな内容の仕事をしているのか気になりませんか?
私は簿記3級の資格を取り、経理事務7年の経験があります。
この記事は経理事務の内容と、未経験や資格が無い方の就職についてまとめさせていただきました。
私はホテルでの経理をしていました。少し特殊かもしれませんが、業種が違えどもお金の流れはそこまで大きく違わないと思いますので経理事務について知りたい方は是非参考にしてください。
こんな方に向けて書いています
・簿記3級を持っているが経理事務未経験の方
・経理の仕事をしたくて簿記3級の勉強を考えている方
・簿記の資格がなくても経理の仕事をしたいと考えている方
・経理未経験で就活している方
経理事務は資格なし、未経験でも出来る?
結論から言いますと、 可能な所もある です。
求人募集の資格欄に未経験OKの経理事務の求人があれば面接にチャレンジしてみましょう。
ほとんどの企業は経理事務は会計ソフトを使用して行いますので、会計ソフトの使い方や会社のマニュアルを覚えられれば、そこまで知識は必要ではありません。
仕訳を入力する時も、予めコードが登録されている場合が多く、コード番号を呼び出せば仕訳が一気に出てくるので流れを覚えればある程度は仕事が出来てしまいます。
事務の経験はあった方がいいかも
経理未経験でも可能と書きましたが、最低限、事務の経験はあった方がいいかもしれません。
経理事務でも基本は事務なので、電話やメール対応等は必須です。
実際に事務経験があると無いとでは仕事に就いた時の安定感が違います。
もし事務未経験で経理事務の仕事をしたいと思っている方がいらっしゃいましたら、一度コールセンターのバイト等、少しだけでも事務の仕事に慣れておいた方がスムーズです。
資格は自然と勉強したくなる
資格も必要ない所もあります。実際、経理事務はルーチンワークですので知識を引っ張り出してどうこうすると言った場面は少ないです。
それに業務について聞ける上司がいると思いますので、そこまで資格が無いことを心配することもないでしょう。
しかし、経理事務をやっていく上で経理の知識を深めたくなるという瞬間が少なからずあると思います。仕訳や損益計算書など普段では見ることのない書式の表を毎日眺めているうちに、
何故この科目はいつも左側にあるんだろう?
なぜ、借方、貸方の数字が必ず一緒なんだろう?
貸借対照表と損益計算書の違いってなんだろう?
等々、日々の業務が気になってきたらしめたもの。
仕事をしながら簿記3級の資格を取得するのもありです。
会社からも評価されること間違いないですよ。
独学でも十分可能ですが、あまり勉強時間を割けない方は動画の教材でサクッと勉強するのも賢いやり方です。
月額980円で動画の教材が見放題です。初月無料なのでもし気になる方は試してみてください。
資格や経験よりも求められるのは経理に向いている人物像。
経理の仕事を覚えるまでには時間がかかります。
何かミスを指摘され、明日からもう行きません!
などという態度だと会社はとても困ります。
(実際、他の店舗にいたんです。急遽ヘルプに行かされました。。)
そして何よりお金を扱う部署ですのでどういった人柄かということを非常に見られます。
求められる人物像を求人情報サイト等で調べてみたところ、
・社会人としての常識・マナーがしっかりしている
・コミュニケーション能力
・注意深さや、慎重さをもっている
・根気、忍耐力をもっている
・誠実である
・責任感がある
といった項目が挙げられておりました。
責任感や、誠実さはもちろんですが、取引先と電話をすることも多いので、会社の顔として見られる事もあります。よって社会人として最低限のマナー(敬語や電話対応など)を身に着けることは大切です。
あと、意外かもしれませんが、コミュニケーション能力も必要になってきます。
経理は色々な人と接する機会が多く、色々話を聞く機会も多いです。
私が一番正しいのよ!!という態度になりがちな職種ではありますが、それでは間違った処理をして会社に迷惑をかける場合もあります。
慎重に話を聞いて状況を正しく理解し、柔軟に対応する力が必要とされるポジションです。
面接を受ける際は、上記のポイントと自分の強みやエピソードなどを絡めて採用担当にアピールしてみましょう。
実際の仕事内容はどんな感じなの?
経理事務っていつも領収書をにらみつけてぷんぷん怒ってるイメージありませんか?
実際、そんなときもあります。笑
家庭で言えば、社長がお父さんなら、経理はお母さんの様な位置づけに近いかもしれません。
これから経理の仕事へ就く方へ具体的な仕事内容をご紹介します。
まずは仕訳から
経理の基本は仕訳です。
お金のやり取りが発生した時には請求書、領収書、納品書、などいろいろなお金についての書類が発生します。
その書類を正しい仕訳で会計ソフトに入力していきます。
(勘定科目は会社によって多少違います。)
例えば、電気料金の請求書がきたら
光熱費10000円/未払金10000円
という仕訳をして費用計上します。
その月の支払日がきて口座引き落としされたら
未払金10000円/○○銀行10000円
という様に費用を支払う仕訳を入力するといった流れです。
午前中の仕事のほとんどは仕訳入力で終わるなんてこともざらにありますから、間違うことが無いように正確に覚え、かつスピードを上げていくことが重要です。
現金の管理、銀行業務、領収書の整理、伝票印刷と管理
当然ながら現金の管理もします。(現金を直接扱わない場合もあります)
現金出納帳を会計ソフトから印刷し、現金を数えて相違が無いことを確かめ、銀行に預けに行きます。取引先への支払いや、給与支払い等の銀行業務も行います。
現金で支払われた経費の領収書を管理して現金出納帳と合わせてナンバリングします。
日々の仕訳伝票はかならず印刷して管理をします。
これらは年一回行われる決算で会計監査の際に確認される事があるかもしれませんので漏れなく正確に行うことが大切です。
月初はとにかく請求書発行
ほとんどの企業は月末締めですので、翌月1日になったら売掛金という、売り上げにかわるお金を請求します。会計ソフトで売掛金の残高がある企業を調べ各々へ請求書を発行します。
これをしないとお金が入ってこないので請求書発行は経理にとって最も大切な仕事と言っても過言ではありません。
相手の支払いの都合もあるのでなるべく請求書は1日中に終わらせるのが暗黙の了解になってる部分があります。
あとは、こちらが請求書を貰うために計算書をまとめて送るといった事もします。
ホテルでしたら、ベッドメイクの会社は委託業者でしたので、前月のメイクさんの作業部屋数を日ごとにまとめて1日に送っていました。
それを元に請求書を発行するので請求書同様に急ぎで送らなければなりません。
クレジットカードを扱っていればカード会社へクレジットカードの締めやカードの店舗控えをまとめてを送るという作業もあります。
とにかく1日はとっても忙しいです。
殺気立っていますので誰も話しかけてきません。(苦笑)
ライブやデートなどの予定等は入れられないと覚悟しておきましょう。(涙)
経費の銀行振込準備
月初にこちらへも請求書が届きます。
郵送の関係でだいたい10日までにはすべて届きますので、請求書をまとめて経費計上します。
その後銀行の振込用紙に支払う金額を記入したり、ネットバンキングにて振込の手続きをします。
試算表の作成
こちら宛の請求書の経費計上が終われば、前月の仕訳はすべて終わりますのでそのタイミングで試算表を作成します。
試算表とは、前月どれだけ儲かっているのか、資産はどれだけあるのか、と言った会社の経営状況が記載された重要な書類です。
作成と言っても会計ソフトですぐに出すことができます。
簿記の資格を取るときはあんなに苦しい思いしたのに。と思う位あっさり簡単にできます。
なので印刷するだけですが、なにか一つでも仕訳が間違っていると、現金預金の残高が合わなくなります。
印刷したら残高確認はしっかり行い、違うようならまた仕訳を見直し訂正が必要です。
給与計算
大体の給与は毎月大きく変動することはそこまで無いと思います。
基本は出勤時間、残業時間、手当を足して、税金、保険料等を差し引き、口座振り込みの手続きを行います。おそらく給与計算式やソフトなどで行うことがほとんどです。
注意すべき点はいつもと違う点が無いかということを念頭に置くことです。
・家族構成が変わり手当を支給する必要がある(結婚、出産等)
・年末調整で還付金が発生する
・出張手当をつける必要がある
等です。
給料に関わることは非常にセンシティブで従業員の方との信頼に関わります。
間違いが無いように慎重に行いましょう。
月末は入金の確認、支払い漏れがないか確認
月末は支払日です。
こちらの支払いと、取引先の入金がありますので両方確認が必要です。
売掛金台帳と買掛金台帳を必ずチェックしましょう。
そして支払い漏れ、または入金漏れがあるようならすばやく相手先へ連絡を入れて対処するようにします。こういった確認作業も経理業務において重要な事柄と言えます。
決算業務(中小企業の流れを例にします)
経理において最も重要な業務が決算です。
多くの企業は期首が4/1、期末が翌年3/31の1年間の会計期間という設定してます。
期末を過ぎたら、年間の残高をすべて確定させ、税金を計算します。
税金の申告、納付を済ませたら、その後決算書を作成し、会計監査人という人達による監査が行われます。
そちらを通れば最終的に株主総会に提出されます。
中でも税金の申告は期末から2か月以内とタイトなスケジュールですので期末を過ぎると非常にピリピリした空気になります。。。
経理業務の最大の山場です。ここを乗り越えられることが出来て初めて経理業務を任されているという自覚を持っていいと言っても過言ではないでしょう。
経理事務への就職、仕事内容まとめ
以上が経理事務への就職や仕事内容のまとめになります。
経理事務は非常に責任感が重く、細かい上に地味で人を選ぶと思います。
しかし経理が出来れば、会社から大切にされること間違いなしですし、なんといっても会計の流れがわかるのは実生活でも役に立ちます。
身につけておいて損はないと思いますし、簿記もわかってくれば楽しいです。
数字がぴったり合う様は美しいとすら思えてきます。
少しでも興味がある方は経理事務へ挑戦してみましょう。
会社を違った切り口で分析するのが結構楽しいですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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